形状記憶材料の高機能化

形状記憶材料の高機能化

(担当:青野祐子)

形状記憶材料は,変形を加えても特定の条件で,記憶された元の形状に自発的に回復する高機能材料です.単純に形状を回復するだけでなく,回復するときに力を発生させるため,アクチュエータ材料としても研究が進められています.

レーザによるTiNi形状記憶合金の局所二方向駆動性付与

従来のTiNi形状記憶合金は,変態温度以上になると形状回復し,力を発生しますが,冷却時には形状変化や力の発生を伴わないため,これを補償するための予荷重が必要です.これを解決し,形状記憶合金そのものに二方向駆動性,つまり加熱時も冷却時も自発的な変形と力の発生を可能にする技術が研究されています.しかし,従来の二方向化は炉内での時効処理や強加工による転位の導入により達成されており,近年の薄膜形状記憶合金に代表される,薄膜化・局所化への対応が難しいという課題があります.

我々のグループでは,レーザにより局所的な熱処理を加えることで選択的な二方向駆動性を付与することを目的に研究を行っています.これまでに,ごく短時間のレーザ照射による二方向性の発現に成功し,その原理や照射条件による二方向性の違いを明らかにしてきました.

上面にレーザを照射することで,温度制御のみで両方向に駆動する形状記憶合金帯材

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